薪ストーブの「ロマン」と「現実」のあいだに
「薪ストーブは、なんとも魅力的だ。」そう思う人は多いのではないだろうか。
パチパチと燃える炎、自然と寄り添う暮らし、部屋いっぱいに広がる柔らかなあたたかさ。
でもその裏には、大きな“手間”がある。
薪の調達、乾燥、保管──。ストーブに合った木を選び、1〜2年も乾燥のために寝かせる必要がある。
「ロマンを楽しむ余裕がある人向け」そんな声すら聞こえてきそうな現実に対し、ある職人が立ち上がった。
革命的な薪ストーブ「コロケット」とは?
大阪にある工場で開発された「コロケットストーブ」は、これまでの薪ストーブの常識を覆すプロダクトだ。
そして、この革命的薪ストーブを開発した人こそ、今回のQUEST STORYの主人公・川村治さんだ。
- 湿った丸太でもOK(乾燥不要)
- 針葉樹や松も使える(高温でも壊れない)
- 煙がほとんど出ない(高温燃焼)
- 煙突が素手で触れるほどの熱効率
川村さんは、従来の薪ストーブでは手間や苦労として挙げられる薪に関する問題や実際に使ってみて生じる課題を全てクリアした革命的な薪ストーブの開発に成功する。

しかも、誰かに頼まれて作ったわけじゃない。
「こうすれば、もっと多くの人がストーブを楽しめる」と考え、自分で作ったのだ。
この開発の裏には、どんな物語があったのだろうか。
川村さんの挑戦は、“生き方”だった
川村さんは、もともと安定した石油会社に勤めていた。給与水準も高く、一般的には不満を抱えるようなことはないように見える。
でも、20代のある時、こう思ったという。
「このままの人生で、満足できるんだろうか?」
川村さんは安定を手放し、自らの手で道を切り拓くことを選んだ。
小さなガレージを借りて、溶接の仕事から始める。独立して少し経つ頃には、少しずつ引き合いも増えいく。一方、研究にのめり込んでいき、溶接の仕事を断ってまで研究するほど没頭していた。結果的に生活が立ち行かなくなり、苦しい時期もあったという。
でもその経験から、川村さんは気づく。
「好きなことは、生活の土台があってこそ楽しめる」
学びは「行動」の中にあった
その後の川村さんは、溶接の仕事を中心に据えながらバッティングマシーンや設備工具も自ら開発し、営業まで行った。
ミズノ、プロ野球チーム、クボタ──。何度も断られ、時には裏切られることもあった。
でも、行動し続けたからこそ、学びがあった。
「自分の好きなことをやるだけではダメ。
“誰かの困りごと”を解決するものじゃないと、意味がない」
現場の声に耳を傾け、改良を重ね、顧客思考で開発されたツールはやがて収益を生み、川村さんの挑戦を支える“土台”となった。
再び始まった、“完成しない”挑戦
その後に生まれたのが、コロケットストーブだ。知り合いの別荘で見た「豪華だけど不便な薪ストーブ」をきっかけに、
「自分ならもっといいものが作れる。
きっと、喜んでくれる人がいる」
そう思い、薪ストーブの開発に着手。ユーザーの声に応え、改良し続け、ストーブの姿はどんどん進化していく。
これまでの失敗から学んだことを確実に反映させ、持ち前の技術力と行動力を発揮してチャレンジを続ける。
頑張れない日があっても、挑戦はできる
安定した会社を離れて独立、溶接の仕事をしながら研究開発。自身で営業まで行いヒット商品を生み出す。
これまでの話を聞いて、川村さんが“すごい人”に見えるかもしれない。
でも、きっと本人も迷いながら進んでいたはずだ。
「人に恵まれてきた」「助けてもらってきた」
川村さんは何度もそう語っていた。
その姿勢は、人に喜ばれることが自分の喜びになるという、挑戦の本質を教えてくれる。
この記事を読んでくれたあなたへ
頑張りたいけど頑張れない。
何かしたいけど、何をすればいいか分からない。
このままでいいのか不安──。
そんなあなたに、川村さんの言葉を贈りたい。
「楽しんで生きてください。
そして、できれば“誰かが喜ぶこと”で、楽しめたら、最高です。」
挑戦に必要なのは、完璧さでも、大きな一歩でもない。
小さな行動から積み重ねられる経験を活かして、さらに行動する。川村さんのように諦めずに行動し続けることで新たな気づきや学びを得て、次なる挑戦をつなげる。
私自身も、川村さんのように行動し続けようと思っています。
この記事を読んでくれたあなたも一緒に頑張りましょう。
コロケットストーブに関する詳細はこちら株式会社コロケット