AIやデジタル技術が進化する中、世界が注目するスキル
「これからの社会やビジネスに不可欠な力」について取り上げたダボス会議@2020で、「2025年にビジネスパーソンに求められるスキルTOP15」が発表されました。そこで、未来のビジネスパーソンに求められるスキルに「EQ」があります。
果たしてEQとは、スキルとはどんなものなのでしょうか。
そんなにも重要なEQは、今の自分にどれだけ備わっているのでしょうか。
どうすればEQというスキルは獲得できるのでしょうか。
本記事ではEQの意味と特徴、簡単なセルフ診断、そして今日から取り組める実践ステップを紹介します。業種・業界問わず、多くの方にポジティブな影響をもたらすであろうEQについて理解し、ご自身の仕事や活動に生かしてもらえると幸いです。
EQとは?
EQとは“Emotional Intelligence Quotient”の略で、日本語では「心の知能指数」「感情的知性」などと訳されることが多いです。
作家のダニエル・ゴールドマンの著書「EQ: こころの知能指数」をきっかけに日本や世界に広まったEQは、「自分や他者の感情を認識し、理解し、適切に対応・管理する能力」として定義され、
・周りの人の感情を察したり、共感するのが上手
・自分の感情をコントロールしたり、他者と協調するのが上手い
・ストレスフルな仕事や急なトラブルにも冷静に対処できる
こんな人はEQが高いと言えるでしょう。
似た言葉に「IQ」があります。IQとは、「Intelligence Quotient」の略で、頭の良さや知能の発達度合いを数値化したものです。つまり、IQは「知能」や「頭の良さ」を意味するのに対して、EQは「感情力」や「人間関係力」を意味します。
AIやデジタル技術はどんどんと進化し、コロナ禍をきっかけに働き方も大きく変化しました。それでも、人との感情的なつながりやコミュニケーションが重要であることに変わりはありません。EQが高い人は、ストレスの中でも冷静に対応し、他者とのコミュニケーションを円滑に進めることができます。これが、職場でも学校でも求められる「人としての力」であり、未来の成功の鍵となるのです。
アリババグループのジャック・マーも、「もし成功したいのなら、高いEQを持つべきだと信じている」と発言し、グローバルのトップ経営者たちからも注目を浴びるEQが、今のあなたにはどれくらい備わっているのでしょうか。
簡単なセルフ診断を通して、ご自身のEQを見てみましょう。
EQセルフ診断|あなたのEQどれくらい?
「自分や他者の感情を認識し、理解し、適切に対応・管理する能力」であるEQは、世界からも注目される重要なスキルです。そんなスキルをあなたは現時点でどれだけ持ち合わせているのでしょうか。
自分のEQをセルフ診断してみよう!
EQを高めるために
ご自身のEQはいかがでしたか?
「思ったより高かった!」
「…ちょっと低いな。」
色々な感想があるかと思いますが、重要なことはEQがスキルであるということです。生まれながらの天性ではなく、後天的に獲得できるスキルセットの1つなのです。ぜひ、これからご紹介する実践ステップを参考に、ご自身のEQを高めてみてください。決して難しい内容はありません。日々の生活に取り込める簡単なものなので安心してください。
もしかすると、これからの時代で欠かすことのできないスキルを獲得できるかもしれませんよ。
ステップ①__自分の感情に気づき、理解する
まずは、自分の感情を正しく理解することがEQ向上の第一歩です。
たとえば、ストレスを感じた瞬間や、喜びを感じた時にその感情の理由を考え、その原因を見つけることが重要です。これにより、感情に振り回されずに冷静に対応できるようになります。
感情に気づき、受け入れる習慣をつけることで、自己認識力が高まり、感情コントロールがしやすくなります。
ステップ②__他者の感情に共感する力を養う
EQのもう一つの重要な要素は、他者の感情に共感する力です。共感力を高めることで、周囲との関係が深まり、信頼関係を築くことができます。
例えば、友人や同僚が悩んでいるとき、アドバイスをする前にその気持ちに寄り添うことが、EQの実践的な使い方です。「自分ならどう感じるだろう?」と相手の立場に立って考えることで、他者とのコミュニケーションが円滑になります。
ステップ③フィードバックを活用し、成長に繋げる
EQは他者の視点を取り入れることでさらに高められます。信頼できる友人や同僚からのフィードバックを受け入れ、自分の感情や行動を客観的に振り返りましょう。フィードバックを通じて、自分では気づけない強みや改善点を見つけ、自己成長に繋げることができます。
AI時代だからこそ求められる人の価値
AIやデジタル技術が飛躍的に進化する今の時代においても、人と人との関係性や信頼は変わらず大きな意味を持ちます。むしろ、技術が発達するほど、EQのような“人間ならではの力”がより重要度を増しているのです。
これまで学校では、主にIQによって評価される場面が多くありました。しかし、社会に出てみると、成果を上げるうえで本当に問われるのはEQであることに気づきます。人間関係を築き、信頼を得て、リーダーシップを発揮する場面では、IQだけでは補えないEQの力が必要とされるのです。
そして何より大切なのは、EQが“後天的に育てられるスキル”であるという点です。IQが先天的な要素に左右されやすいのに対し、EQは日々の意識や行動の積み重ねによって誰もが高めることができます。
だからこそ、EQを知り、意識的に伸ばしていくことは、これからの時代を歩むうえで大きな価値をもたらします。ぜひご自身の仕事や活動の中に取り入れ、より良い人間関係と成果につなげていってください。